こちら江戸料理の代表選手。幕末に領内巡見に出かけた藩主の朝ご飯にも登場します。袋井の郷土料理を参考に再現しました。このレシピの生い立ち弘化2年(1845)、13代藩主山内豊熈(やまうちとよてる)が領内西部へ巡見旅行に出かけた時の献立記録の中に「玉子ふわふわ」が登場します。名前もかわいいこの料理を再現したいと思い、江戸時代の料理書や参考文献をもとに調理しました。
- 玉子 1個
- だし汁 適宜
- 塩・しょうゆ 適宜
作り方
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1
たまごをもったりするまで泡立てます。(この時は砂糖をひとつまみ入れました)
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2
鰹だしに、塩としょうゆを加えて味を調えます。玉子が泡だったら、だし汁を煮立たせます。
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3
卵液を一気にそそぎ、火を弱めて蓋をします。
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4
蓋をして、ゆっくり十かぞえます。なべをゆすってみて、玉子が固まっていたら完成です。
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5
器に盛ります。お好みで胡椒やわさびなどの薬味をそえてどうぞ。(完成写真では黒胡椒を乗せています)
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6
(資料画像)十二日 御汁 糸目魚冬瓜 御香物 御飯 御平皿 玉子ふわふわ
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7
※袋井の郷土料理では土鍋で作ってそのまま出しますが、献立記録には「皿」で出されていましたので雪平鍋で作りました。
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8
【参考文献】松下幸子『江戸料理事典』柏書房1996、福田浩・松藤庄平『完本 大江戸料理帖』新潮社2006
コツ・ポイントこの料理、だし汁の味が全てです。2.でしっかり味を決めておきましょう。玉子は共だてでもしっかり泡立ち、冷めてもしぼまずできました。料理書によっては、玉子の2~3倍のだしで薄めて加熱する、茶碗蒸しのような仕上がりのものもあります。