サーモンの火入れは何度が良いのか?一体何度でどのような状態になるのか?徹底検証!
- アトランティックサーモン(生食可) 各100g(厚さ3cm)
- ※火通りにかたよりがないよう、全て背側からカットしたものを使用 –
- 塩 各0.9g(サーモンの重量の0.9%)
- ほか、調理器具など
- キッチンペーパー –
- 氷 –
作り方
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1
本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。
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必ず「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
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※低温調理のルール 〜6つのポイント〜https://boniq.jp/recipe/?p=19886
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(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)
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参照:「低温調理 加熱時間基準表」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
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<比較実験背景>
BONIQマニアにおくる、低温調理の疑問あれこれの検証。
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日々低温調理をしていると、食材がこんなに美味しくなるのか!という感動がある一方、本当にこれで良いのか?
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もっとベストな方法があるのではないか?という疑問も同時にわいてくる。
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最近では低温調理のメソッドに関する情報が増えつつあるが、それが本当に正しいのか?
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実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。
サーモンの火入れは何度が良いのか?
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例えばサバであれば味噌煮にしてもサラダフィッシュにしても、だいたい65℃~70℃で低温調理を行うことが多い。
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(参照:「65℃ 基本の低温調理 さばの味噌煮(ID:19914451)」
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「65℃ サラダフィッシュ スモークさば(ID:19998667)」)
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ところがサーモンとなると40℃のレシピもあれば50℃や55℃もある。一体何度でどのような状態になるのか?
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目安となる加熱チャートがあれば、今後理想の状態に仕上げやすくなる。
サーモンの全面に振り塩をして10分置いたのち、
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BONIQで
実験1. 38℃実験2. 40℃実験3. 45℃実験4. 50℃実験5. 55℃
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実験6. 60℃実験7. 65℃実験8. 70℃
それぞれの温度で30分、低温調理を行った。
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魚を加熱した場合のタンパク質の凝固温度はおよそ40~50℃と言われているが、もっと低い温度(38℃)から
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タンパク質の凝固が始まるという説もある。そこで最低温度を38℃とし、加熱したサーモンの状態が
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どのように変化していくのかを見る。サーモンは生食可のアトランティックサーモンを使用する。
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時間については、今回は各100g・厚さ3cmの背側の身を使い、芯温計を刺しながら調理を行ったが、全ての温度帯にて
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25分経過時点で設定温度の-0.2~-0.5℃、30分で-0.1~-0.4℃に到達したことを確認している。
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<BONIQ設定>
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実験1. 38℃ 0:30(30分)実験2. 40℃ 0:30(30分)実験3. 45℃ 0:30(30分)
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実験4. 50℃ 0:30(30分)実験5. 55℃ 0:30(30分)実験6. 60℃ 0:30(30分)
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実験7. 65℃ 0:30(30分)実験8. 70℃ 0:30(30分)
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<比較実験>
サーモンの全面に振り塩をし、10分おく。出てきた水気をペーパーで押さえる。
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(臭みが抜けると共に塩味が付く)耐熱袋にサーモンを入れ、空気を抜いて密封する。
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BONIQの設定時間終了タイマーが鳴ったら袋を取り出し、氷水で急冷する。(余熱で火が入るのを防ぐため)
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画像:25分経過時点で設定温度の-0.2~-0.5℃、30分で-0.1~-0.4℃に到達した。
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BONIQセット時:※肉、魚(生食用を除く)は種類と厚みに応じて加熱設定を変更する。
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参照:「低温調理 加熱時間基準表」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
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※食材全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
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※高温・長時間調理時は蒸発による水位減少を防ぐため、最大水量を用意する。
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BONIQ投入時:※袋内に気泡が残らないよう湯せんに入れながらしっかり空気を抜き、密封する。
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(参考:動画「低温調理用バッグの密封方法」、
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38
記事「ベストなバッグ密封の仕方 比較実験」ID:20798293)
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※食材全体が湯せんに浸かるようにする。浮いてくる場合は耐熱性の瓶や重しを乗せて完全に沈める。
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※高温・長時間調理時は湯せんにカバーをする。(鍋:ラップ、コンテナ:フタ)
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<比較実験結果>
それぞれ、以下のような結果となった。
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画像左上:実験1画像右上:実験2画像左下:実験3画像右下:実験4
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画像左上:実験5画像右上:実験6画像左下:実験7画像右下:実験8
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手順42、43画像からわかるように「実験1. 38℃~実験4. 50℃」と「実験5. 55℃~実験8. 70℃」で、
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前者はオレンジがかった色であるのに対し、後者はピンクがかって“火が入った”要素が強い。
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実験1. 38℃ 生ではないが生寄りの食感 →新食感の刺身実験2. 40℃ 生の要素残る とろりと崩れやすい
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実験3. 45℃ なんとか生の要素残る ほろりと崩れやすい
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実験4. 50℃ ギリギリ火が入っているか →ミ・キュイ(フランス語で「半分火が通った、半生」という意味)
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実験5. 55℃ ここから火が入った感 しっとりやわらかい実験6. 60℃ きちんと火が入っている 十分やわらかい
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実験7. 65℃ きちんと火が入っている まだやわらかい
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実験8. 70℃ まだやわらかいが、ややパサつきも これ以上の温度は低温調理の意味がないか
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「実験1. 38℃」と「実験2. 40℃」を比べると、たった2℃の違いにもかかわらず状態が全く違っている。
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実験1は包丁でカットしても崩れにくいが、実験2は繊維がほろほろとほぐれて崩れそうになる。
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実験1は新しい食感の“刺身”として提供できるが、実験2の食感はもはや刺身ではない。
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また実験1は完全な“生”よりも歯切れが良いのでとても食べやすく、口の中で旨みをダイレクトに感じられる。
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「実験3. 45℃」と「実験4. 50℃」までは、まだ生の要素が残っており、身がやわらかくとろけるような食感が残る。
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「実験5. 55℃」から歯ごたえが増し、“火が入った”と感じるようになる。
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以上、実験1~5までは低温調理にしか出すのが難しい食感と言える。
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「実験6. 60℃」と「実験7. 65℃」も火がきちんと入っているが、十分やわらかい。「実験8. 70℃」でも
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焼き魚の食感としてはやわらかい方であるがややパサつきが出てきたので、低温調理のメリットがあるのはこの辺までであろう。
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本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。
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必ず「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
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※低温調理のルール 〜6つのポイント〜https://boniq.jp/recipe/?p=19886
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(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)
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参照:「低温調理 加熱時間基準表」https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
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《当レシピの栄養素》
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栄養素/食(1日の推奨量)
カロリー:237 kcal糖質:0.1 g
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タンパク質:20.1 g(体重 x 1.2g ~ 1.5 g)脂質:16.1 g食物繊維:0 g(20 g 以上)
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カリウム:360 mg(3500 mg 以上)カルシウム:8 mg(650 mg 以上)
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マグネシウム:28 mg(350 mg 以上)鉄分:0.3 mg(7.5 mg 以上)
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亜鉛:0.4 mg(10 mg 以上)
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当レシピに対する「BONIQ管理栄養士からの栄養アドバイス」は、BONIQ 公式低温調理レシピサイトにてご覧ください。
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<https://boniq.jp/recipe/?p=14787>
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《作った感想》
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まず驚いたのが「実験1. 38℃」と「実験2. 40℃」の違いです。たった2℃の差ですが、
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食感が全く違う仕上がりになりました。実験3~8は5℃差ずつですがそれよりも実験1、2の差の方が、
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より大きく感じたくらいです。そして「実験1. 38℃」は新しい食感の刺身として、
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何か面白い料理ができそうでワクワクします。
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<サーモンの低温調理 比較実験シリーズ>
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「36℃ 生 v.s. 低温調理サーモン 比較実験(ID:20430044)」
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「38℃〜 サーモンの火入れ温度比較実験(ID:20220569)」
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「ブライニングは有効?比較実験 サーモン編(ID:19500367)」
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●BONIQ 低温調理コンテナ&コンテナアクセサリー(ラック、トレー、フタ、ジャケット)は「BONIQ コンテナ」で検索
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●BONIQ 深型ホーロー鍋は「BONIQ 鍋」で検索
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85
●BONIQ 低温調理用耐熱袋は「BONI BAG」で検索
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●低温調理用耐熱袋の密封方法https://www.youtube.com/watch?v=N-t1ox7mox0
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●ベストなバッグ密封の仕方https://boniq.jp/recipe/?p=19616
コツ・ポイント必ず「低温調理のルール ~6つのポイント~(https://boniq.jp/recipe/?p=19886 )」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。